歌舞伎の舞台名所を歩く

  福島天満宮
『敵討天下茶屋聚』

 
(1)

『敵討天下茶屋聚』(かたきうち てんがぢゃやむら)、通称「天下茶屋」の三幕目は「福島天神の森の場」、伊織は父の仇に寝返った元右衛門に足を傷つけられ、歩行不自由となり、福島天神森の非人小屋に隠れ住んでいます。ところがその在処(ありか)も知られてしまいます。

伊織 親人お討たれなされており、はや七年。今に敵の在所(ありか)も知れず。いま東間奴に目のあたり出合うたりとも、この足ではなかなか以って、討ち取ること覚束ない、あゝ如何なる過去の因縁にて。

     (中略)

壁はむしろ戸はこもだれ、虫の鳴く音をよすがにて、露の雫の草枕、どりゃ夢なと結ぼうか。

蓑を敷寝の草枕、月影洩るゝる荒むしろ、鐘こうこうと更け渡る、草木もすでに子の刻過ぎ、腕助先に元右衛門。
(『名作歌舞伎全集』第13巻、207-208頁)

そして伊織はだまし討ちにされてしまうのでした。時代物の悲劇です。


(2)

福島天神へマップで見て行ってみます。



JR環状線「福島」駅で下車、玉江橋の方へ少し行くと、右手に鳥居が見えます。







珍しく鳥居の次に門があり、くぐると、昔は「天神の森」だったような雰囲気を感じます。






扁額の文字は読めず


住吉大社ほかの境内社


本殿右横の鳥居


『敵討天下茶屋聚』の舞台については、「天下茶屋跡」をご覧ください。



お読みいただきありがとうございました。

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(2017(平成29)年5月14日撮影)
 
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