歌舞伎の舞台名所を歩く

那智の滝

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平成30(2018)年1月、国立劇場で『世界花小栗判官』(せかいのはな おぐりはんがん)が、4幕10場の通し狂言として上演されました(第307回歌舞伎公演)。その大詰は冬の「熊野那智山の場」で、那智の霊水が溢れる滝壺に、蘇生した小栗判官が登場するという場面でした。


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JR西日本紀勢本線(きのくに線)「紀伊勝浦」駅で下車、駅前から熊野交通バスで那智山行きに乗り約30分、終点で降ります。

那智山青岸渡寺に参拝すると、向こうに三重の宝塔と那智の滝が見えます!



三重塔を見て、那智の滝に向かいます。




 鳥居には「熊野那智大社別宮 飛瀧神社」



参道を進むと滝の音が聞こえてきて、向こうに鳥居が、そして大木の間に滝も見えてきます。







見上げて、しばしじっと眺め、目と耳を楽しませます。



落ちた滝は大小の石の間を通って流れ続けます。



那智の滝をもっと近くから見える場所で、お祈りができるというので行ってみます。




滝の音を背に受けながら、こんなに急だったのかと思う石段を上り、この名勝を後にします。


                    ♣

「那智の滝」は絵画でも見ましたが、強烈な印象を残した二点があります。


 国宝「那智瀧図」 根津美術館蔵

美術館の説明です。

「熊野・那智山の南壁を落ちる那智瀧を描くこの作品には、日本人の自然に対する敬虔な思いが込められています。千手観音が姿を変えた神体・飛瀧(ひろう)権現を図絵した礼拝画として、また一筋の瀧を描いた風景画として、那智瀧図は日本絵画を代表する名品の一つと謳われています」

もう一点、これも素晴らしい作品です。


 鈴木芙蓉「那智瀑泉真景図」


お読みいただきありがとうございました。

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(2010年11月8日撮影)
 
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