歌舞伎の舞台名所を歩く

  小野道風神社
『小野道風青柳硯』


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竹田出雲・三好松洛・近松半地ほか合作の『小野道風青柳硯』(おおのとうふう あおやなぎすずり)という人形浄瑠璃を歌舞伎化した芝居があります。

「三蹟の一人として知られた能書家道風を逆に無筆の人物に設定するという奇抜な趣向が、作品全体の眼目」で、「烏帽子狩衣姿で傘をさした道風が、柳に飛びつくさまを見て、帝位に危険が迫っているのを悟るという古来馴染みの絵柄を生かした見せ場」がある芝居とのこと(『歌舞伎事典』)。

道風が柳の枝に飛びつこうとする蛙を見て発奮し、書道に精進したという故事を踏まえているのは言うまでもありません。

ちなみにここでいう「三蹟」とは、平安時代の能書家・藤原佐理(すけまさ)・藤原行成(ゆきなり・こうぜい)・小野道風を指します。

『小野道風青柳硯』は宝暦4(1754)年、大坂・竹本座で初演された人形浄瑠璃で、翌年歌舞伎の舞台にかかりましたが、今ではまず上演をみません。


(2)

道風神社は、京都(北区杉坂道風町)にもありますが、小野一族の神社である小野神社や小野篁神社・小野妹子神社がある大津市の小野道風神社に行ってみます。



小野道風神社はJR湖西線の小野駅と和邇(わに)駅のほぼ中間にありますが、和邇駅で下車、小野神社と小野篁神社に参拝してから向かいます。一本道を右へ、緩やかな坂をのぼると鳥居が見えます。




鳥居の左に「柳の教訓」の説明板があり、右に柳と石の上に蛙が見えます。






ご覧いただきありがとうございました。

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(2017年11月17日日撮影)
 
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