歌舞伎の舞台名所を歩く

  三囲神社
『桜姫東文章』ほか


 (1)

『』()、通称「」、序幕は「の場」
『桜姫東文章』二幕目「三囲の場」  168  書割 173

本花道より桜姫、赤子を抱いた清玄、
桜姫 むら鳥の、立ちにし別れいまさらに、思い返せば御寺にて、不義の男を助けんと、
 尊き僧を破戒させ、その罪科が今の身に、散りかゝりたる桜姫、隅田の嵐に濡れ衣の、
 変わり果てたる姿じゃのう。

清玄 とても無間に沈む身を、思うて見ても今一度、その仇人にまみえんと、この幼な子を
 養育の、苦患(くげん)は知らで今頃は、

桜姫「逢いたい」、清玄「見たい」と

暗がりゆえ両人すれちがう。桜姫は正面の
石段を上がり、土手の上へかかる。
(名作歌舞伎全集、第9巻、174頁)

この「石段」は隅田川の土手に上がる石段で、ここに鳥居が今もあります。


三廻神社は、『隅田春妓女容性』(すだのはる げいしゃかたぎ)、通称「梅の由兵衛」の序幕「向島三囲堤の場」(『名作歌舞伎全集』第8巻、192頁)、

竹柴其水(たけしば きすい )作『遠山桜天保日記』(とおやまざくらてんぽうにっき)の二幕目「隅田川三囲堤の場」としても出てきます。
(2)

所在地



東京メトロ銀座線(or 東武線)「浅草」駅で下車、隅田川を渡って土手を歩くと、




 
 









隅田川の方へ行くと、土手の下に鳥居があり、


 
   
(3)

三廻神社は多くの浮世絵に描かれてきましたが、隅田川から
 


(『浮世絵』p.)
 
   


お読みいただきありがとうございました。

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(2016(平成28)年11月20日撮影)
 
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