歌舞伎の舞台名所を歩く 鶴屋南北墓所 |
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鶴屋南北は、河竹黙阿弥と並んで、最も人気のある歌舞伎作者の一人と言ってよいと思います。 南北と云えば「生世話」ということばが思い浮かびますが、それについての一文です。 |
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南北が創始したドラマの様式を指して、とくに「生世話」と呼びました。「生」は「生粋の」という意味でしょう。同じく「世話物」ではあっても、南北が作り始めた世話物には従来の概念に収まらない、新しさがあります。そこを区別して生世話の名称を与えたのでした。生世話は、非人や蛇使いの女など社会の最下層で生きる男女を主人公にして、彼らの実生活や生活感情を写生的に描きました。言葉は当時成立した江戸弁です。 趣向を考え出すことに格別の才能があった南北は、時代相を映し、常に観客を驚かせ、喜ばせるくふうをしました。非情や殺人、幽霊の出現、男女の性愛の描写など、世情と文化の爛熟期にふさわしい局面が仕組まれ、「南北風」の芝居が一世を風靡したのです。 (服部幸雄『絵で読む歌舞伎の歴史』132頁) |
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「生世話」の傑作、『東海道四谷怪談』『盟三五大切』『お染の七役』などなど名舞台を思い出しますが、その南北の墓所が押上にあります。 東京メトロ半蔵門線「押上」で下車、「押上駅前」交差点を左に浅草通りを歩いて2・3分ほどのところにあります。 随分昔に一度来たことがあるのですが、驚くことに今はビルになっています。 元和元年は西暦1615年、古い! お墓や石碑がショーウィンドーのようになっているのも驚きです。 ◆鶴屋南北墓 宇野信夫「なつかしや本所押上春慶寺 鶴屋南北おくつきところ」の歌碑 ◆関東俳優協会之碑 ちなみに「鬼平」所縁のお寺でもあります。 春慶寺のパンフレットより |
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(2019(平成31)年2月8日) |
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