歌舞伎の舞台名所を歩く

  東大寺・大仏殿
孤高勇士嬢景清


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2019年11月、国立劇場で上演された『孤高勇士嬢景清(ここうのゆうし むすめかげきよ)―日向嶋(ひゅうがじま)―』、二幕目が「南都東大寺大仏供養の場」で、あらすじです。

平家を滅亡させて権力を掌握した源氏の大将・頼朝。平家に焼き払われた奈良・東大寺の大仏殿を再興し、落慶供養に臨みます。そこへ、頼朝の命を狙う景清が斬り込みますが、頼朝は、平家への忠誠を貫く景清を称え、自分に仕えるよう説得します。

景清は頼朝の仁心に感じつつも、源氏へ従うことを潔しとせず、二j度と復讐をしない証(あかし)に両目を刺し貫き、立ち去ります。(公演ちらしより)


(2)

東大寺は近鉄奈良駅から徒歩で30分ほどで着きます。



南大門を入り、大仏殿に向かいます。


八角燈籠


入り口を入ると正面に大仏様。



大きさに圧倒されますが、鎌倉の大仏さまと比べてみます。

  東大寺の大仏(盧舎那仏)
 聖武天皇の発願で天平17年(745年)に制作開始、天平勝宝4年(752年)に開眼  
 全高 18.03(座高 14.98)
 重さ 250t

高徳院の大仏(阿弥陀如来)
 鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」によると、造立開始は建長4(1252)、詳しくは不明
 全高 13.35(座高 11.31)
 重さ 121t 

 (3)

『孤高勇士嬢景清(ここうのゆうし むすめかげきよ)―日向嶋―』は、西沢一風・田中千柳=作『大仏殿万代石楚』と若竹笛躬・黒蔵主・中邑阿契=作『嬢景清八嶋日記(むすめかげきよ やしまにっき)』(初演は元文4年の大坂・中村十蔵座)を基に、「源平合戦後、源氏の世を良しとせず、盲目となって日向で暮らす平家の武将・悪七兵衛景清と娘の邂逅」を描いた新作。

場割りです。

 序幕「鎌倉大倉御所の場」
 二幕目「南都東大寺大仏供養の場」
 三幕目「手越宿花菱屋の場」
 四幕目「日向嶋浜辺の場」と「日向灘海上の場」

主な配役は、悪七兵衛景清=中村吉右衛門、景清娘糸滝=中村雀右衛門、源頼朝/花菱屋長=中村歌六、花菱屋女房おくま=中村東蔵、俊乗坊重源/花菱屋遣手おたつ=嵐橘三郎、梶原平三景時=大谷桂三、秩父庄司重忠=中村錦之助、仁田四郎忠常=中村松江、ほかのみなさん。

記録として、料金も記しておきます。

 特別席 12,800円(学生9,000円)
 1等A席 10,000円(学生7,000円)
 1等B席  6,500円(学生4,600円)
 2等A席  5,000円(学生3,500円)
 2等B席  2,800円(学生2,000円)
 3等席  1,800円(学生1,300円)

ちなみに、この月の歌舞伎座は、桟敷席20,000円、一等席18,000円、二等席14,000円、三等席A 6,000円、三等席B 4,000円。
   
 

お読みいただきありがとうございました。

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(2019年11月)

 
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