歌舞伎の舞台名所を歩く〈寄り道〉

  回向院 鳥居清長碑
(墨田


浮世絵師・鳥居清長の記念碑が、両国・回向院の境内に建っていると知って行ってみます。
JR両国駅を出て、両国橋の方への通りを行くと京葉道路の向こうに回向院の入口があります。



入って突き当りが本堂、左に少し行って右にまがるとすぐ記念碑がみえます。




国際浮世絵学会会長・岡田美術館館長の小林忠による碑文です。

日本橋に生まれた鳥居清長は。気風の良い、生粋の江戸っ子でした。天明のヴィーナスとうたわれる美人画とともに、鳥居派四代目を継いで歌舞伎絵の分野でも活躍しました。

その清長は、文化12年(1815)5月21日に数え年64歳で没し、両国の回向院に葬られました。その後の度重なる災害によって失われた墓碑が、歿後200年を間近に迎えて、ここ菩提寺の境内に再建されることとなりました。

この記念碑によって、浮世絵の歴史に輝かしい足跡を残した鳥居清長の偉業が永く顕彰されることを、願ってやみません。




記念碑の意匠は清長の「大川端の夕涼み」の中央の団扇を持つ女性から取られました(佛師・村上清、書は諸家で圓天寺住職・早野考槃)。


 
「大川端の夕涼み」 大判二枚続きの左 天明6(1786)年 
平木浮世絵財団蔵 重要文化財
(以上、『鳥居清長碑建立記念 鳥居清長名品展』(回向院, 2013)図録より) 


鳥居清長展が建立された2013年より毎年、回向院で開催されています。



2019年には「第8回 鳥居清長忌展覧会 架橋360年記念 2日間だけの両国橋ワンダーランド」展が開催されました。開催日は5月の11・12日で、11日(土)には川崎・砂子の里資料館館長の斎藤文夫氏による「天明・寛政期の美人画」と題する講演会もありました(この方の講演は二度目、今回もスライドを使った分かりやすく興味深いお話でした)。
 


お読みいただきありがとうございました。

[参照]「両国橋
歌舞伎の舞台名所を歩くHOME 
(2019年8月)
 
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