歌舞伎の舞台名所を歩く

  花川戸
『極付幡随長兵衛』


「花川戸」と聞くと、歌舞伎ファンなら誰でも助六と幡随長兵衛を連想するでしょう。「花川戸の助六」の歌碑はこちらをご覧いただくとして、ここでは花川戸が場面になる芝居について書きます。

昭和55(1980)年6月、国立劇場で上演された(第105回歌舞伎公演)河竹黙阿弥作『極付幡随長兵衛』(きわめつき ばんずいちょうべえ)の二幕目が「花川戸長兵衛内の場」。

序幕「村山座舞台の場 公平法問諍(きんぴらほうもんあらそい)」、長兵衛の子分と旗本水野十郎左衛門の家来が争います。すると水野は意趣返しをしようと長兵衛を酒宴に招きたいと言ってきます。子分たちは必死に止めますが、長兵衛は「人は一代、名は末代」と決意を女房・子供と子分たちに話して悠然と死地に赴く、というのが「花川戸長兵衛内の場」です。

平成20(2008)年12月、国立劇場第261回歌舞伎公演・竹柴其水(きすい)作『遠山桜天保日記』(とおやまざくら てんぽうにっき)では、4幕目第1場が「花川戸須之崎政五郎内の場」。

他にも、『身替りお俊』に「花川戸お俊内の場」(『名作歌舞伎全集』第19巻、44頁)があります。

この「花川戸」の町名が浅草に残っているの嬉しいことです。浅草寺の二天門通りを挟んで花川戸公園がありますが、行ってみて南側は姥ケ池の伝説で知られる地と知ります。
 


   


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(2020年2月9日撮影)

 
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