写真紀行 折々の旅【祭】
Pictorial Travelogue: Festival

  朝顔市
Morning Glory Fair


入谷と云えば、何といっても入谷鬼子母神、そして朝顔市で有名です。



   
入谷駅を出てすぐの交差点の脇に、入谷朝顔発祥の地の碑が建っています。

(ちなみに隣には「入谷乾山窯元碑」がありますが、乾山は光琳の弟で、琳派を代表する陶芸家でした。上野の寛永寺の境内にも乾山の石碑があります。)



朝顔祭は毎年7月6日から3か間開かれます(そして9日10日は浅草寺のほうづき市、10日が四万(しまん)六千日です)。




狭い歩道にずらっと屋台が並んでいます。



「団十郎」の名がつく朝顔があるのは、歌舞伎ファンにとっては嬉しい限りです。一鉢求めますが、迷わず団十郎です。




    咲て見れば團十郎でなかりけり  子規

の一句がありますが、見て買ったので大丈夫です。


鬼子母神は人・人・人で一杯です。朝顔市に来る人は必ずお詣りするのでしょう。



昔ながらの懐かしい麦わら帽子をかぶった人が、ピンク色の線香の束に火をつけています。あたりは煙に包まれ、離れても線香の香りがします。



境内にも朝顔がたくさん並んでいます。





門の左にはいくつかの石碑が並んでいます。真ん中の石碑には「畳針供養」とあります。畳屋さんが多く近くに住んでいたのでしょうか。今はもう街を歩いていても畳屋さんを見かけることはまず無くなりました。



その右は正岡子規の句碑で、平成11(1999)年建立とあります。



子規は「朝顔」の季語で150句以上詠んだそうですが、ここに刻まれているのは次の三句。

    漱石来る 
    舜(あさがお)や君いかめしき文学士

    入谷から出る朝顔の車かな

    朝顔も入谷へ三日里帰り


平成30(2018)年には、入谷朝顔祭りが復活して70周年を記念して立派なパンフレットが発行され、朝顔市の歴史などが詳しく書かれています。「夏の風物詩」 歳時記を思わせる何とも良いことばではありませんか。



ご覧いただきありがとうございました。

HOMEINDEX  
(撮影日:2018(平成30)年7月8日+)
 
inserted by FC2 system