歌舞伎の舞台名所を歩く

  新富座こども歌舞伎


新富座と言えば、「新富座こども歌舞伎」があります。

中央区は歌舞伎発祥の地ですし、歌舞伎座・新橋演舞場も近く、何よりも新富町は一時代を築いた新富座があった地です。そこでふるさとの文化の継承を、と「新富座こども歌舞伎の会」が誕生したとのことです。

 (歌舞伎発祥の地については「江戸歌舞伎発祥の地」をご覧ください。)

毎年、節分や子供の日に定期公演を行っています。


 公演ちらし

公演の舞台は鉄砲洲稲荷神社、




当日行ってみます。東京メトロ「八丁堀」駅から歩いて5・6分、境内はもう人で一杯のようです。



鳥居の右にあるご由緒をざっと読んでみます。





すると間もなくお練りの一行が到着します。



本殿で奉納の儀式を終え、階段を下りて勢揃いします。





舞台の前は観客であふれています。






◆口上

指導者のなかにはプロの方もおられるのでしょうか、実に規格正しいと言うか、本格的で、口上で扇子を前に置く所作一つを取ってみても行儀がよいのです(扇子の置き方がぞんざいな落語家は見習って欲しいといつも思います)。



ツケ打ちさんは舞台に、



下座の人たちは舞台右で準備ができています。




◆三番叟

出演前ですが、笑みもこぼれ緊張している様子もありません。三人が舞台に上がり、



五穀豊穣を願って踊ります。




◆義経千本桜、吉野山

静御前・狐忠信・藤太が、良い形を見せます。







みんな、なかなかの役者ぶりです。








◆白波五人男 稲瀬川勢ぞろいの場

向かいの会館の二階では、出を待ちながらつ五人男と捕り手たちが舞台をみて微笑んでいます。ほほえましい光景です。



まだ時間があるのでちょっと…



いよいよ勢揃いです。




◆三人吉三 大川川端の場

お坊吉三とお嬢吉三の争いに、和尚吉三が割って入ります。「待った、待った、いちばん待っててもらおうか」。



下座との息もぴったり











最後は出演者が全員揃って挨拶します。拍手がやみません。お見事でした!






終わって、鉄砲洲稲荷神社の横の通りへ行きますと、



いろいろな屋台がでています。



また町内の家の前の飾りと提灯も、お祭り気分を味わわせてくれます。



最後に、2018年の例大祭のポスターです。(舞台写真は2012年、2015年、2018年の公演より)




神社のお祭りに奉納される新富座こども歌舞伎 神さまもきっとお喜びのことでしょう

「待ってました!」「たっぷり!」といった通常の掛け声の他、「~ちゃん!」と飛ぶ掛け声はこども歌舞伎ならではで、微笑ましく、また本人もご両親たちもどんなに嬉しいことでしょうか。

小学生が演じ、卒業生や町内会の大人の人たちが下座や裏方を勤め、大人と子供たちが手を携えて舞台を作っている姿に、いつも胸を打たれます。舞台を見ていると、自然に泪が溢れてきます。

新富座こども歌舞伎  永遠に!



お読みいただきありがとうございました。

 新富座についてはこちらをご覧ください。

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(2018(平成30)年10月15日)
 
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